仕事での重大なミスや、誰かが病気になった亡くなったというような話は笑って話をしてはいけませんが、ちょっとした勘違い&恥ずかしい思いをしたこととか、抱えている悩みやコンプレックスを感じていること、失恋話などは、人に話をすることで心がラクになります。



その時はすごく落ち込んでも、時間が経って少し気持ちが落ち着いた頃に笑顔で誰かに話せるようになると、問題が小さく感じたり、自分の中でいい風に消化されたりするのです。




少し前に毒親かもしれない父のことを書きましたが、その後のことも書きたいと思います。


20才を過ぎた辺りから母や父本人に昔の話などを聞くようにして、どうして父があんな風に突然キレるのかその原因を探ったことで、父に対する憎しみの感情をかなり消せるようになっています。

毒親に囚われず生きるために必要なこと(前編)

毒親に囚われず生きるために必要なこと(後編)





父と離れて暮らすようになった頃、ふと(もしかしたら父は病気じゃないのかな?)と思いました。



大人の発達障害など何かそういう要素もあるかもしれませんが、いろいろ調べてみて1番しっくり来たのが「間欠性爆発性障害」です。


あらかじめ計画された怒りではなく、また怒ることで何か利益を得ようと考えているのでもなく、怒りや感情を抑えることができず衝動的に起こる行動(=怒鳴る、物を蹴ったりする)のことで、30分もたたないうちに収まります。


☟前にアンガーマネジメントの話を書きましたが、上記の障害は制御不能です。

怒りはコントロールできる ~人を選んで怒っている~




昔ほどではありませんが、今も父は突然キレます。
家族だけではなく、誰に対してもキレます💧
だって当然ですよね、コントロールできないのだから。




父は子供の頃、ずっと『頭の悪い子』と周りの大人に言われていたそうです。
だから勉強ができない、頭が悪いと自分でも思い込んでいたのだとか。


本当は苦手な科目があっただけで頭は悪くなかったのですが、片方の耳が聴こえないので授業や人の話があまり耳に入って来なかったことも原因だと思います。



時代も時代だし、父の両親はそんなことを気にして病院で検査したり補聴器を買ってくれるような親ではなかった。
だから聴こえない父は相当苦労したし、コンプレックスの塊だったようです。


きっと本来は私が陽気なように父も陽気な性格だったはずなのに、子供時代の経験でネガティブな思考になってしまい、耳のせいで聞き間違えもよくして、誰かの言動が『自分をバカにした』と感じた瞬間、鬼のような形相で突然怒り出していたのです。







「あれ? テレビのチャンネル変えた?」と言っただけなのに、それがどう聞こえたのかわかりませんが、「誰に向かって言ってるんだ!!!」「親に向かって生意気言うな!」と怒り出されるし、店員さんにキレた時とか一緒にいたら代わりに謝るしかなかったし、我ながらよく耐えていたと思います(苦笑)



でも父の事情がわかったら、父もあんな風になりたくてなったわけじゃないのだと理解することはできました。





独特の発想でユニークな性格の父は、母にかかって来た電話に出た時は、

「うちは嫁さんを放し飼いにしているのでどこに行ったのか知りません」

と言ったり、



入退院を繰り返していた母がICUに入っていて、危篤ではないけどいつどうなるかはわかりませんと告げられた時、胃がんの全摘手術を控えていた父は先生に向かって、

「私が入院をしている時に妻が危篤になってもどうすることもしてあげられない。 

だから逝くのなら今のうちに逝くか、私が退院してから逝って欲しいのですが」


と真顔で訴えたり💦




こういうトンデモ発言をしょっちゅうしているので、私は『ネタ』として友人たちに面白おかしく話をするようになりました。



父の話をするとみんなが爆笑してくれたので父に対する黒い感情はどんどん吹き飛ばされて行き、


「死んで欲しい頭のおかしい父」から「たまにキレる面白い父」へと自分の中で書き換えができたのです。



父を貶めて復讐しようという感情も一切ないので、ネタにしても罪悪感はありません。





あんなに夫婦喧嘩をよくしていて、年老いてからも「殺してやるぞ!」と母に向かって言っていたのに、母が亡くなってからは写真を飾りいつも花とお菓子を供え、自宅から近いこともあって毎日のように墓参りにも行っているそうで、親と言えども心の中のことはよくわからない、夫婦のことはその夫婦にしかわからないのだと思いました。




この前のブログで思い切って父のことを書いた後にいろんなことを思い出していたら、子供の頃の記憶は消えないし今も好きとは言えないけど、


笑顔で話せるようになっていた時点で、父に関することは克服できていたのだと気づきました。





言ってはいけない秘密のように隠そうとしたり、こんなことは人には言えない、そう思って胸に抱え込むからずっとコンプレックスが克服できないままだったり、悩みや失敗を引きずることはあると思います。



私は恥ずかしい思いをしたことや、振られた話、愚痴なんかも笑い話に変えて親しい人には言うようにしていますが、そうすることにより自分を客観的に見たり切り離して考えることもできるようになり、それでかなり救われて来ました。


だからそのような話を聞いてくれる人がいることに感謝して幸せを感じたりします。



お互いにそんな風に話をしたり聞いたりできる関係が築けると、人間関係はしんどいだけじゃなく良いものだなぁと思えるのですね。



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