同じ人を見てもそれぞれで抱くイメージが違うとか、同じ出来事を見ても感想が違うことってありますよね。
例えば不倫で世間を騒がせたある俳優がアカデミー賞を獲ったというニュースを見たとして、
Aさん:少し前に不倫で騒がれていた人でしょ。
そんな人が賞を獲るなんておかしくない?
Bさん:この映画すごく良かった。
この人は賞を獲ると思ってた。
Cさん:ふーん(興味なし)
まぁこんな感じで分かれると思いますが、Aさんには「不倫は絶対に許せない」というルールがあるのでこの俳優が多分何をしてもいい印象は抱きません。
Bさんは不倫の話を知っていても作品とは別と考えています。
Cさんは自分の興味のあることにだけ関心を示したり考えを述べる人。
あと、病気とか人生を変えるほどの何かがあったわけではないのに自分の知っている人が急に変わったように感じてしまう時もあります。
それって、ある日を境にその人が急に別人になってしまったと思いますか?
これはその人が変わったのではなく、こちらがその人の言動を見て自分の中のルールに基づき裁いたり良い悪いを判断するようになったからなのです。
何度かサイコパスのような社長の元で働いた話を書きましたが、その人が突然サイコパスっぽくなったのではなく、出会った時からおかしいと思うところはあったのです。
仕事が忙しかったとか私の都合で社長の本当の姿を見ようとしなかった、はっきりとそういう人だと思おうとしなかっただけ。
その会社ではお客様からクレームが来てスタッフでは対応し切れなくなると社長が対応していましたが、そういうのをゲーム感覚で楽しむ人なので、お客様を挑発するようなバカにした発言をしてさらに激怒させたり、相手が女性だと泣かせることもあったし、別のお客様から訴えられそうになった時も「訴えればいいよ、こちらも容赦なくやるから」とゾッとする程冷たい表情で言ったりしていました。
そういう様子を見ても、一部の人たちはクレーマーは許せない!面倒だからそんな客は要らない!という考えだったので、「スカッとした~」と社長の態度は当然のこと&助かったと考えましたが、私と同じようにお客様相手にあの発言はあり得ないと考え、そういう社長を怖い、ここにいてはヤバいと思ったスタッフは退職しました。
つまり、社長はずっと同じ態度&そのままの人間性で存在していたのに、人によって見方が異なっていただけなのですね。

私の中に
*人をバカにするような言動は良くない
*相手が真剣なのに面白がって挑発するのは良くない
*トラブルを喜んだり面白がるなんておかしい
*気に入らない客やスタッフを攻撃する社長はアウト
というようなルールが存在し、それに基づいて社長の行為は良くないと判断しただけなのです。
おかしいと気づいても会社にいるメリットの方が大きいと判断した人はまだそこで働いているし、前に関わってはいけないヤバイ人の話も書きましたが、ヤバイ人だとわかった上でメリットがあるからとその人のご機嫌取りをして関わり続ける人もいます。
人それぞれの事情や都合でどう判断するかは違って来るのでこれは仕方がないこと。
話が長くなりましたが、友人であろうと恋人であろうと、その人に対する不信感や嫌悪感が芽生えたとしたら、その人が悪いとかその人が急に別人となり酷いことをするようになったのではなく、こちらがその人の行為に対して自分の正義感や価値観でその人をジャッジをするようになったということです。
その社長に限らず、誰でも良い悪いではなく単なる人なんです。
良い人か悪い人か、どういう形容詞をその人に与えるのかは、それぞれが自分のルールに従いジャッジしているに過ぎない。
誰もがマイルールを持ちそれに従いお互いにジャッジしているので、自分のことを理解してもらえる人としてもらえない人、理解できる相手と理解しがたい相手に分かれるという仕組み(?)なのだと思います。
きっとみなさんの中にも、
○○すべき
○○してはいけない
○○する人は許せない
というルールがあるはずで、子供時代に植え付けられたものだったり、社会に出て対人関係の中から学んで身につけたものだったり、周りに合わせてそう決めただけなどルールを持つようになった理由もあります。
ただルールに従ってジャッジして良いのはその人の言動(行為)であって、その人の存在を否定したり『悪』と見なし悪だから何を言っても何をしてもいいと思うのは良くないです。
好き嫌い、合う合わないの判断は個人の自由だけど、自分のルールや多数派の考えによりその人の価値を勝手に決めたり存在を不要などと言うのはダメということ。
そこを間違えてしまう人が多いので、ルール違反と見なした人には誹謗中傷しても平気と思ったり、意見や考えが合わないだけなのにその人を排除しようとしてしまうのだと思います。
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