独身時代の話ですが、友人とたまたま2人して仕事を辞めて次どうするか?という状態だったので、こんな時しか長期旅行はできないよね~と、留学経験があり英語ができる友人だったので3週間かけてアメリカ個人旅行をしたことがありました。


留学時代の友人(日本人)がそのままアメリカに残って最近結婚をしたのでお祝いを渡したい&久しぶりに留学していた頃よく行った土地に行きたい、と私の友人が言うので「じゃあ南部に行こう!」となったのです。




旅行そのものはトータルで30万円ほどという貧乏旅行だったにも関わらずめちゃくちゃ楽しくて。
南部は料理が美味しくて建物も可愛いし、友人おすすめのサンアントニオは素敵な場所だったしニューオリンズも最高でしたね。


至る所にストリートミュージシャンがいて、ブルースが好きだった私はブルースハープの音色を聴くだけで感動していました。



問題が起こったのはその結婚をした友人の家に行った時のこと。


ニューオリンズからけっこう離れた場所だったので、初めましての私も一緒にその家で1泊させてもらった翌朝、帰りの列車の中で何気なく財布を手にして今いくら現金があるかな?と確認をしたら、なんとお金が減っていたのです。



昨夜のことを思い出してみましたが、列車が目的地に到着して友人の友人が車で向かえに来てくれるまで駅前でお茶をしてその時に財布を出したけど、それ以降はずっとバッグの中に入れたまま今朝まで触ることはありませんでした。


旅行中毎日使ったお金と残高をメモしていたので、あったはずの日本円が無くなっていたのは確か。


でも財布から、というかバッグから離れたのはその友人宅で庭に水を撒いてと言われた時だけ。



え・・・?と思って隣で寝ている友人を起こし、「私の財布から1万円が無くなっている」(円を持参してその都度ドルに換金していた)と告げると、友人も慌てて自分の財布を確認し50ドル札が無くなっていることに気づいて。


そしてまさかの一言をその友人が放ったのです。



やられたー!!!




え・・・?  どういうこと?となりますよね。


私は自分の友人を一切疑っていなかったし、その友人の友人のことも疑う理由なんて無かったし。



詳しく事情を聞いてみると、今回訪れた友人は留学時代にそういう噂があって、彼女のルームメイトの物がよく無くなっていたと言うではないですか。







その当時、他にもその彼女に盗られたと言い出す人は何人もいて、でも証拠がないので誰も咎めることができずただ警戒してみんなは距離を置くようになったのだそう。



えーーーー!!



どうしてその話を先に言ってくれなかったの!?



そういうことを知っていたのになぜ友達を続けていたのか?と聞けば「私には親切だったから信じていた」と。

・・・・・。


財布から全部抜くとバレる、あるいは私たちが困ると思ったのか、私は数万円のうち1万円だけ、友人は何ドル札かのうち1番大きなお札だけ抜かれていたのです。



「私をバカにしてる!! いくら私でも50ドル札を抜かれたら気づくよ!!」と怒っていましたが、

え、そこ??💦


と、そんな相手だと聞かされないまま友人に付き合って高い長距離列車代を使ってそこまで行き、友人よりも高い金額を盗られた私はしばらくボー然としました。




落ち着きを取り戻してから、


そういう盗癖がある人だと散々周りが言っていたのにどうして周りの方を信用しなかったの?


私が財布からお金が無くなったと告げた時、「やられた!」と真っ先にその友人を疑ったということは、あなたもその友人を信用していないからじゃないの?


私は本当に信用している相手、例えばあなたと2人しかいなくてお金が無くなってもあなたを疑わないよ


と伝えたら、友人はだんだんと自分の考えの甘さ、自分は何もされていないからとこれまで被害に遭った人たちの声を無視し続けていたことを後悔し始め、途中から暗~い気分に沈んでしまい2人して無言のままニューオリンズに戻ったのでした。







おそらくその女性の周りから次々と人は離れて行って、噂を知った上で(そんな人じゃない)と信じていたのは私の友人だけでしょう。



その唯一とも思える自分を信じてくれている人が、はるばる日本から結婚祝いを持って会いに来てくれたのに、それでもお金を盗んでしまう、それが盗癖症(クレプトマニア)の怖さです。

お金に困っているわけではなく、私たちが憎いわけでもなく、ただ盗める状態にある何かを盗む行動そのものを抑えることができない。



人を信じるということは、その存在を疑わないということです





私の友人のように良くない噂を聞いても、自分には関係ないからと気にせず仲良くすることは信じるとは違います。




もちろん嘘の噂が流れることもありますが、友人は自分が仲良くしていた他の友人たちが盗難に遭って困っていたのを知っても、自分が被害に遭ったわけではないからとスルーしていたので最後は自分も被害に遭ったのです。




私も自分の目で見て知ったことの方を信じるので、単なる噂話をそのまま鵜呑みしたりはしませんが、火のない所に煙は立たぬというのは案外本当で、良くない話を聞いたのなら多少用心するとかもっと注意深くその人を観察するとか、頭の片隅に入れた上で接することも時には必要です。



福祉施設とかホテルとか人が大勢集まる場所で働いた時、やっぱり時々誰かが何かを盗まれたと騒ぎになっていたので、どこにでもいるのでしょう盗む人は。



盗む盗まないだけじゃなく、誰かを信用することは、そして自分を信じてもらうということはそんなに簡単なことではありません。



何年もかけて築きて上げて来ても、1回でも信用を失うことをしてしまうと、同じ相手に信用してもらえるようになるには前よりも長い年月が必要になります。

年月をかけても「やっぱりもう信用できない」と言われてしまうこともあります。



だから浮気や暴力、裏切り行為、人格を否定するような暴言を吐くなどして相手の信用を失うことをすれば一瞬で関係は壊れるのですね。



ちなみにその友人とは今も普通に仲良くしています。

私に似て陽気でよく喋る友人ですが、さすがにかなりショックを受けて落ち込んでいたので、私も言いたいことだけ言った後は気にせずこれまで通り残りの旅行を楽しみました。



人を信用するということは、許すことでもあると思っているので、申し訳なく思った友人が日本に戻ってから1万円を代わりに返してくれたので、そのお金で2人でパ~ッと飲んで食べて「もうこの話は終わりにしよう」となり、それ以降この話を友人の前で持ち出したことはありません。