今回は少し重い話を長々と書きますのでご了承くださいませ。


私が子供の頃はまだ「毒親」という言い方はしなかったのですが、そういう親がいなかったというわけではありません。


ある友人の両親はどちらも厳しく、私が小学校低学年の頃に友人の誕生日プレゼントを持って家に遊びに行ったら、友人の母親に「うちではそういうやりとりはお断りしています」と、まるで訪問販売者を断るような言い方をされ大人に拒絶されるという初めての経験をしたこともありました。


だから10代の頃の友人はあまり表情がなくいつも何かを我慢していて、今も両親のせいで自分は自己肯定ができないと言っています。



別の友人は、自分の母親は今で言うところの毒親で、そして自分は「アダルトチルドレン」かもしれないと、そういう心理学の本をよく読んでいたと言います。



彼女は子供の頃から「子供なんて産まなければ良かった」という言葉を何度も聞かされていたため、もしかしたらいつか自分は母親に殺されるかもしれない、だからできるだけ早く親元から離れようと思っていたらしく、大人になってからも何かをしようとする度に批判され、常に誰かの娘と比べられたりして嫌な言葉を投げかけられていたので、友人は自分が選んだ相手を紹介しても母親は文句を言って許さないだろうから結婚もムリだと諦めていたのだそう。





私は大人になってからそういう関係の本を読んでも、自分の父が「毒親」に当たるのかは今でもよくわかりません。


でももし父が死んだとしても、母が亡くなった時のような寂しさや悲しさは感じないだろうと思うので、少なくとも良い父親と認めていないのは確かです。




父との楽しい思い出もあるし、困っている人を見かけたら助けてあげたり、捨てられている犬猫を見ると可哀相だと家に連れて帰って来るような優しさもあったので、悪人ではなかったのでしょう。



ただ父は自分を中心に世界が回っていると思っているような人で、空気を読んだ発言ができず、そのようなことを言うと相手がどう思うかが想像できないのでとにかく失言が多く、1番の問題は怒りの感情が抑えられないことでした。



大人になってから知ったことですが、母は結婚して間もない頃に突然父に顔を殴られたことがあったらしく、怒りが消えた父から普通に「その顔の青アザは一体どうしたの?」と聞かれたことがあったのだとか。
自分がカーッとなって殴ったことを覚えていなかったそうです・・・。




その時「もしも子供を殴るようなことをしたら即離婚」と母が言い渡したので、それを守っていたのかはわかりませんが、殴られそうになったことは何度もありましたが私や弟は殴られたことは1度もありませんでした。




とにかく父はスイッチが入ると、ゴミ箱を蹴飛ばしたり机の上の物を落としたりしながら母や私たちに大声で怒鳴り散らす。


家族にはいつも怒る理由がわからず毎回突然怒鳴り始めるので、家の中の火山が予告なく噴火するような感じです。



15~30分もすれば何事もなかったかのように落ち着くのですが、リビングはぐちゃぐちゃだし、近所にも父の怒鳴り声が聞こえていると思うと恥ずかしくて、10代の頃は「早く死んでくれたらいいのに」と思いながら過ごしていました。




結婚後は弟とあからさまに差別をされるようになり、父が一人暮らしをしている実家で何か物が無くなると毎回のように「持って帰ったのか?」とまるで私が盗んだかのように聞いて来るし(ただ父がしまった場所を勘違いしていただけ)、掃除や片付けができない父は私には掃除を手伝うようにと言いますが、弟には何も要求しません。



そして弟が頼んだわけでもないのに弟家族には土地付きの家を買い与え、今も時々経済的に援助をしたりして甘やかしているのに、私の家族が住んでいる賃貸の部屋を1度見に来た時は「よくこんな狭い家に住んでいるな」と夫もいる前で平然と言いました。




ちなみに父から援助を受けている弟は私以上に父を嫌っていて、子供時代から今現在も用事がある時以外は父と口を聞きません。



親も自分とは違う性格の別の人間  家族だから仲良しとは限らない



そういう父だったので、私は母に何度も「なぜあんな人と結婚をしたのか? 離婚して欲しい」と頼むのですが、離婚する気がなかった母にはいつも「お父さんと結婚していなかったらあなたは生まれて来なかったし、今のような生活はできないのよ」と諭されていました。



そんな母親に対して「誰が産んでくれって頼んだ? 勝手にあんな人と結婚して自分が産みたかったから産んだだけでしょ?  望んで産んだのだからあなたたち親には子供に愛情をかけて育てる責任がある!」と、言ったのだそう。


「そう」と書いたのは、自分では全く覚えていないからです・・・。




この話は母親が苦手だったという友人から、かなり後で聞かされて知りました。



ずっと母親のことで悩んでいた時期に私と出会い、親が嫌いという同じような状況にあったにも関わらず、「親の言うことは絶対で言い返してはいけないと思っていたのに、あなたは普通に親に逆らい(上記のような言葉で)言い返しているのを知ってものスゴイ衝撃を受けた。  それを今でもよく覚えているし、だからあなたに会うと元気がもらえた」と。




そう言えば、私は父に1度本気で殴られそうになった時、殴ればいい。 その代わり私は警察に言う。 そうすればお父さんは逮捕されて社会的な信用を失い仕事にも影響が出て来るでしょう。 私を殴って人生が台無しになって損をするのはお父さんの方」と冷静に言い放ったこともありました。

これはよく覚えています。




友人から自分が親にそういう発言をしたり従わないという態度を取っていたという話を聞いた時、



親はいつも正しい尊敬すべき存在

親が言うことは絶対なので素直に従わないといけない


という固定観念が子供の頃からほとんど無かった、物事の良い悪いは、例え相手が親であっても実際に自分の目で耳で見たことや聞いたことから「自分がどう感じるか」自己判断していたのだと気づきました。



そしてこのような判断ができていたから(私が何かをしたから? 私が悪いのかな?)とは思わず、父のことでそんなに苦しむことはなく自分の人生にも大きな影響を受けなかったように思います。


(☟後編に続きます)
毒親に囚われず生きるために必要なこと(後編)

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