ある人からこのような相談を受けました。
「友人の幸せを心から良かったねと
思えない私は心が狭いのかも。
どうすれば寛大になれるでしょうか?」
これってけっこうあるあるではないでしょうか?
何年も恋人がいない同士で仲良くしていて、突然友人の方にだけ恋人ができたとか。
仕事ぶりを評価してもらえないという似た悩みを言い合っていたのに、同僚の企画が通り一気に注目され給料UP&昇進までした、みたいな。
相手のことが人として好きで本当の友人だと思っていても、抜け駆けされた感を持ってしまったり自分だけ置いて行かれたような悲しい気持ちになることはありますよね。
私はその相談者様に対してこう言いました。
人間は相反する2つの感情を
同時に持つもの
と。
友人の幸せや成功を「良かったね!」と思う気持ちももちろんあるのだけど、同じ立場じゃなくなったことに対して「寂しい」「私だけ残された」と感じたり、「私も頑張っているのにどうしてあの人だけ?」と理不尽な気持ちになってしまうのはもっともなんです。
心が狭いとか人間が未熟なのではなく、人の心はそんな単純なものではないということだと思います。
例えば子供のいる人は子の成長が楽しみですよね。
手がかかるうちはすごく大変で(早く大きくならないかな?)と思うこともあるでしょう。
だけど実際に子供が高校生になって家族よりも友達との時間を優先するようになった。
大学を出て就職先を決め、家を出ることになった。
これらも子の成長で喜ばしいことだけど親としては寂しい気持ちがどこかにあったりします。
これが相反する気持ちを同時に持つということ。
なので自分を責める必要はなく、そう思ってしまう理由があるのだと気づきましょう。
「他人の幸せを心から祝えない人は幸せじゃないからだ」というようなことを聞きますね。
私も、自分と直接関わりのない有名人をネット上で叩いている人は「幸せじゃないんだろうな」「やりきれない思いを抱えてるんだろうな」と思います。
こういうケースはどうなのか?ですが、上記のようなことをする人はそうやってストレス発散する、自分の正しさを表現する、自分の方が上だと示したいという目的があってしている場合が多いので、「こんなことをしてしまう私は心が狭いんだ、どうしたらいいんだろう?」とは悩まないんじゃないでしょうか。
叩かれるようなことをした方が悪い、叩かれるようなことをしたんだから叩いていいみたいな考え方なので、本人がそういう自分を客観視して(もしかして私は間違ってる?)と思わない限り自分を改めようとはならないでしょう。
ただ中には本当はこんなことをしても意味がないとわかっていても他人の幸せに腹が立ち、自分だけ何もかも上手く行っていないのが納得できないので他人にケチをつけてしまう・・・という人もいて、そのタイプだったら本心としっかり向き合って癒そうとするか、自分が心から満たされることに意識を向けた方がいいです。
このやり方が正しいとは思っていないけど他にどうすればいいのかを考えてもわからないので、何のストレス解消にもなっていないと思いながら他者を攻撃してしまう人は、他者を攻撃しているようで自分の心をずっとえぐっているんですよね(>_<)
少し話が逸れますが、結局辞職に追い込まれた某県知事。
再度知事に立候補するという私たちには理解できない言動を取り続けていますが、彼は自分が正しいと信じ切っているので迷いなくこういう行動ができるのです。
本当は自分の罪を認めて謝罪した方がラクになれるけど今さら後には引けない。
自分は間違っていたのかな? でもそれを認めたら負けになるから戦うしかないんだ!、ではないと思います。
自分は間違っているんじゃないか?
おかしいのは自分の方かもしれない
と考えて、迷いながら矛盾した方向に突き進んでいたら心身に異変(不調)が起きるので。
あの人はメンタルが強いんじゃなく叩かれるようなことをした人は叩いてもいいと信じている人と同じ。
このタイプは基本的に自分自身を振り返らないので文句不満は言いますが病みません(;´∀`)
利害が一致した似た人だけが周りに残る、ということになるんじゃないかと。
話を戻します。
誰の幸せも喜べず、他人の不幸を願ってしまうほどなら自分の心の奥底に何が沈んでいてこうなってしまったのかを探ってみてはいかがでしょうか。
そこまでじゃない
良かったねと思う気持ちもある
ただ相手に対して喜び以外の感情が湧いてしまうのも事実という人は、そう感じても普通だから自責する必要はないと自分に言い聞かせてくださいね。
その上で、どうして負の感情が出て来てしまったのかな?という理由を探してみましょう。
ずっと一緒に遊んでいた友人が結婚してしまったなら、もうこれまでのように遊べなくなるのが悲しいのかもしれません。
不妊治療を一緒に頑張っていた友人の方が先に妊娠出産をしたのなら、自分の方はいつになれば妊娠できるんだろうという焦りがあったり、このまま自分は子を持てない人生になったらどうしようという不安があるからかもしれないのです。
本来は「良かったね!」と喜ぶような出来事に対して、実は心からそう思えないという本心を打ち明けた時に「なんで? 仲良かったのにおかしいよ」と責める人がたまにいますが、その人の方が心の複雑さをわかっていないと思いますね。
友人の結婚を心から祝おうという気になれない場合、もしかしたらその友人の不快な言動をずっと我慢していたから・・・ということだってありますので。
他人の幸せや成功を心から喜べない人はおかしい、なんて一言で済ませていいことではないのです。